金属3Dプリンター技術の拡大
2013年から金属3Dプリンター事業を始め、いつの日かこの技術が日本のモノづくりの中心になることを夢見てきましたが、残念なことにその速度はあまりにも遅く拡大していることにすら気づけない大きさです。
日本に金属3Dプリンターが入り、テレビや新聞で取りざたされブレイクスルーの兆しも見えたのですが、「保守の国」日本ではざわついた程度でした。
経済産業省の主導の下、38の企業や大学が集結し、グローバル市場において持続的かつ発展的な競争力を維持するために力を尽くしていただきましたが、それでも市場は冷ややかだったと記憶します。
日本での金属3Dプリンターマーケットが中々拡大しないのは、職人の技術力と、アナログ思考です。
日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか(東洋経済)
CAD図面といってもほとんどが2次元の図面での仕事となり、3次元CADのスキルは一向に伸びていない状況の中、3次元モデルを必要とする金属3Dプリンターはまだまだ蚊帳の外といった感じです。
日本もデジタル庁ができ、ようやくアナログからデジタルへと移行していくのかもしれませんが、まだまだ先のようですね。
そんな日本を置き去りにするかのようにアメリカのサービスビューローの拡大のニュースが次々に舞い込んできます。
今回ご紹介するのもアメリカの企業で急激な成長を遂げています。
お問い合わせはこちらから
KeselowskiAdvanced Manufacturing
アメリカのノースカロライナ州ステーツビルにありますKeselowskiAdvanced Manufacturing(KAM)という会社です。
2018年に創業しましたが、すでに21台の金属3Dプリンターを導入しています。
そのラインナップは
EOS社 M400-4 2台
EOS社 M290 1台
EOS社 M280 13台
SLM社 SLM800 1台
SLM社 SLM280 3台
GE社 M2 1台
と、そうそうたる金属3Dプリンター保有台数です。
EOS社紹介
SLM紹介
GE紹介
そして材料のラインナップは
アルミニウム6061
アルミALSI10MG
チタンTIAL64V
マルエージング鋼
ステンレス鋼17-4
ステンレス鋼316L
インコネル625
インコネル718
となっており、もはや太刀打ちできないと思ってしまいます。
お客様は航空宇宙、自動車、防衛、エネルギー、石油とガス、自動車と金型となっているようで、アメリカではやはり多くの企業が金属3Dプリンターへの認識とその技術の使用方法をわかっているようです。
KeselowskiAdvanced Manufacturingとしても次の産業革命は金属3Dプリンターであると明言しています。
日本との違いに驚きますが、やはりアメリカの考え方って進んでますよね。
お問い合わせはこちら
遅れる日本
日本には昔から「うさぎとかめ」という話を子供のころから聞いていますが、今まさに日本は「カメ」を演出しているのでしょうか。
アメリカやヨーロッパを中心に金属3Dプリンターが拡大し、今や中国、インドでも盛んに金属3Dプリンターを使ったモノづくりが進んでいます。
のちに「うさぎ」が昼寝してくれたらよいですが、残念ながらそのような気配は感じられません。
このまま日本は金属3Dプリンターから取り残されていくのか・・それとも何か秘策があるのでしょうか?
その見極めは非常に難しいと思いますが、万が一このまま金属3Dプリンター技術が産業革命的な要素を膨らませていくなら、日本は確実に周回遅れでスタートをきることになります。
また、デジタルへの遅れが拍車をかけその差は更に大きくなると想像できてしまいます。
日本の金属3Dプリンターメーカー、CADソフトメーカー、そしてサービスビューローが三位一体となり現状打破に向けて皆様にこの事実を知っていただく努力を怠らないようにしなければなりません。
お問い合わせはこちらから